連泊ファミリーキャンプのお楽しみと言えば、なか日の「のんびり観光」。
今回は、標高957mの女三瓶山(めさんべさん)に家族で挑み、数々の苦難を乗り越えながらも、見事に家族全員で登頂を果たした、感動秘話をお送りいたします。
島根県のほぼ中央にある大山隠岐国立公園の一部、室ノ内(むろのうち)と呼ばれるくぼ地を取り囲むように、標高1,126mの男(お)三瓶山、女三瓶山、子三瓶山(961m)、孫三瓶山(907m)、太平山(854m)、日影山(718m)の6つの峰が連なる三瓶山。
その北側にはキャンプ場や自然観察館、西側には広大な草原やレストラン、南側には西日本有数の湧出量を誇る三瓶温泉、そして東側にはワイナリーや観光リフトがあります。
また、それらを結ぶ三瓶山高原道路で麓を周回することが出来るので、ドライブやツーリングも人気。
そして、一帯には4つの登山口と6つの登山ルートがあり、初心者から上級者まで自分のレベルに合った登山やトレッキングを楽しむことが出来ます。我が家のような登山経験が全くない初心者ファミリーでも、大丈夫みたい。
出雲大社や松江フォーゲルパークなど、出雲市周辺の観光地には昨年の夏に行ったばかりですし、今回は山登りがしやすい季節なので、女三瓶山の登頂にチャレンジすることにしました。
出発点になる三瓶山の「東の原登山口」までは、目田森林公園から車でおよそ40分。
午前11時頃に到着。晴天に恵まれたGW。さすがに多くの方で賑わっていました。
正面の山頂には、テレビ局の中継局が見えます。あそこが今日の目標到達点、女三瓶山の山頂ですね。待ってろよーっ!
下図 5⃣の登山道(東の原ルート)を登ることも考えたのですが、女三瓶山の山頂までは徒歩でおよそ60分。う~む…。家族全員が登山初心者のうえ、9歳の姫様や6歳のボクが付いて来られるのか?
やはり無難に、観光リフトを利用することにしました。
そして、リフトの下り場から太平山(徒歩5分)と女三瓶山(徒歩23分)のいずれに向かうかは、その場の雰囲気で決めることに。
まっすぐ行くと 5⃣のルート。
こども達は行きたそうでしたが、ひとまずリフトへ誘導。
■三瓶山観光リフト
・営業:4月~11月。8:30~16:30。火曜日定休
・料金:おとな(中学生~)/片道¥470、往復¥750。こども(3歳~小学生)/片道¥350、往復¥550
こども達にとっては、人生初のリフト乗車。
観光用のためか速度を遅くされているようで、雄大な景色をゆっくり堪能できました。
先に下車した女の子チームが待ち受けていますが、ボクはうまく下りられるのでしょうか?
「左へすばやく」
そう言えば、スキー板はもちろん雪がないので、難しくはありませんね。
歩けばおよそ40分かかる255mの標高差も、わずか10分の空中散歩。
右側が 5⃣の登山道。
歩道整備がされており、歩きやすそうですね。
さて、ひとまず登りましょう。
すぐに分岐点に到着。
左の階段を登れば縦走ルート。3分で太平山の展望台、70分で子三瓶山。直進すれば、20分で室ノ内池。右は、女三瓶山(20分)や男三瓶山(80分)に行けます。
緊急家族会議の結果、満場一致で女三瓶山の山頂を目指すことになりました。
一番心配していたボクが常に先頭。それを見守るように姫様が続きます。
「こんにちはーっ!」
すれ違う人とのボクの元気なご挨拶が、一帯に響き渡ります。
こいつ、なかなかやるな。
ふたりとも後続の両親を振り返ることもなく、ドンドン進みます。そして、影も形も見えない上の方から
「この辺り、滑りやすいから気を付けて!」
あぁ…、あなたも気を付けて…(父は虫の息)
「問題は俺達だったな」
老いては子に従え
力なく夫婦で目を合わす。
登り始めておよそ20分。デッキサイト?
「お父さん、あれは展望台ですよ。着きましたよ!」
これは気持ちがイイ。
「なぜ山を登るのか」。そう問われたジョージ・マロリーの気持ちが分かった気がしました。
わすが20分の山登りでしたが…。
左から、孫三瓶山、子三瓶山、右のゴツゴツしているのが男三瓶山。
女三瓶山の山頂は、もう少しだけ登ったところ。
おお、中継局がこんなに近くに見えましたよ。
ここが男三瓶山への縦走ルート(6⃣)ですね。
覗いてみると、
急にケモノ道…。細いわ、滑るわで、怖い怖い。男三瓶山までは、この道を50~60分。
千里の行も足下より始まる
なお、島根県西部地震に起因する通行止めは、令和2年4月に解除になっています。
< 男三瓶山-女三瓶山間の登山道通行に当たっての留意事項について( 中国四国地方環境事務所)>
先ほどの展望台を振り返る。
我が子がこんなに応援してくれている。
さぁ、もう一息。
女三瓶山の山頂です。登ったどーーーっ。
女三瓶山 山頂展望台 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
ここでコーヒーや抹茶オレで乾杯しようと思っていたのに、エスビットを忘れて、愉快なお父さん…。
誰も笑っていません。すまん。
先ほどの展望台さえ、あんなに小さく見える。
大自然の前では、人間なんて、なんとちっぽけな存在なんだ。ふっ、エスビットを忘れたくらい、何でもないさ。
先には平坦な場所が少しあり、フェンスの周りを含め、お弁当を広げられている方もいらっしゃいました。これが正解だった。
後悔先に立たず
理由は、後述をご参照ください。
「登りはリフト、下りは徒歩」
実はこれも事前に検討しましたが、このリフトは「下り」の方がスリル&絶景を楽しめるらしい。
確かに、特に乗車直後が急勾配でした。
でも、次回は歩いて下りてみたい。
さて、女三瓶山を征服し、達成感に満ち溢れた我が家のメンバー。意気揚々と、リフト乗場に併設された石見ワイナリーに乗り込みました。
■石見ワイナリー
・営業:10:00~17:00
・定休:無休(冬季不定休)
店内にはお洒落なお土産物の他に、こんなコーナーが。
日本酒ならすぐに飛びつく私ですが、唯一苦手なお酒がワイン。
結局、向かう先はこちら。
ただ、お気を付けください。値段に驚き、ひとつしか買わなかったら、こんなことになるかもしれません。
止むを得ません。そろそろ13時になので、お腹が空いて来ましたからね。
昼食はこちら、「星空のレストラン」。
ところが、どれもワンドリンク付きで1食¥1,800。¥1,800×4人=¥7,200...。
待てば海路の日和あり。今日のところは見学だけにしておき、宝くじが当たるのを待とう。
庶民派の我が家がやって来たのは、三瓶山の近くにある「うぐいす茶屋」。ここでは、手打ちの出雲そばやヤマメの唐揚げが食べられます。やっぱり出雲そばを食べなきゃね。
道路を挟んだ「やまめの渓」では、やまめの釣り堀やつかみ取りが出来るようで、一帯はとても多くの方で賑わっています。
そのため、
なんと恐ろしいことに、直前で「食事完売」。時間は13:30。観光地の競争率の高さを実感しました。
■うぐいす茶屋
・営業:10:00~16:00(喫茶は9:00~)
・定休:月曜日、年末年始、臨時休業あり
そこから計画がドミノ倒し。すでに14:00近く、食事が出来るお店が決まらない。
結局、美郷町に移動して「産直みさと市」とお隣の「ローソン・ポプラ」でお弁当を購入。
近くの「ゴールデンユートピアおおち」に移動したところ、目当ての大型遊具は撤去されており、広場の片隅でお弁当を広げることになりました。とは言え、こども達は喜んで走り回っていましたけど。
災い転じて福となす
なお、「カヌーの里おおち」と共に指定管理者が代わり、名称を含め変更されているので、ご注意ください。
■ステイ スイムアンドテニス美郷(旧ゴールデンユートピアおおち)
温水プールやスパ、温泉、テニスコートなど。
・営業:9:00~21:00(12月~2月は20:00まで)
・定休:木曜日
<ステイ スイムアンドテニス美郷(島根県西部公式観光サイト)>
<編集後記>
女三瓶山の登頂を果たし、すっかり自信を付けた我が家。帰宅後のある週末、安芸太田町にある深入山のトレッキングに挑戦しました。
ベンチに腰掛け、管理棟の売店で買ったスティックケーキとコーヒーを頂きます。
北島康介選手も、きっと言うでしょう。
「とても気持ちが良いです」
こんなに手軽な装備で、気軽に自然を楽しめるんですね。
「トレッキングは最高!」自信が確信に変わりました。
そこで、
勢いに乗って、トレッキングポールをポチッ。キャンプの楽しみ方が増えました。
でも来年には、家族全員が全身モンベルに包まれているかもしれません。
くわばらくわばら
沼って、キャンプだけではありませんね。
君子は危うきに近寄らず
でも、トレッキングはお勧めです(^^)/
1本300gと200gでは、持った感じが結構違ったので、こちらにして良かったです。
そう言えば前回、ラムちゃんと音無響子さんと姫様で結婚相手を悩んでいた私ですが、愚問でしたね。そう、私には女王様しかいる訳ないじゃないですか。
い、いやだなぁ、ハハハ…。
さて次回は引き続き、目田森林公園周辺の観光施設などをご紹介します。